わさび田の生物多様性調査結果が論文として学術誌に掲載されました
- 新着情報
静岡県の水わさび栽培では、豊富な湧水を利用した環境に優しい農法が継承されており、わさび田周辺では多様な生態系が維持されています。こうした農業を取り巻く生物多様性の保全は、「静岡水わさびの伝統栽培」として世界農業遺産及び日本農業遺産に認定された重要な要素の一つです。
しかし、農業遺産への認定申請するまで、わさび田の生物多様性に関する調査はほとんど行われておりませんでした。そこで静岡県では、わさび栽培が環境に優しいことを証明するため、わさび田の多様な生態系を明らかにする底生生物及び陸上昆虫類等を対象とした、生物多様性調査を平成29年から3年にわたり実施してきました。この調査結果を吉成らが論文にまとめました。
生物多様性調査の結果、6種の貴重種をはじめ、わさび田内で407種もの多様な生物が発見されました。中でも、絶滅危惧Ⅱ類(環境省レッドリスト2019)の「ホラアナミジンニナ」は、これまで紀伊半島以西に分布されているとされていましたが、この生物多様性調査により静岡県で初確認され、東限を更新する発見となりました。
このたび、本論文が学術誌に掲載され、正式に公表されましたので、ぜひご一読ください。
【掲載学術誌:東海自然誌(静岡県のわさび田における底生生物および陸上昆虫類等生物相)】
https://www.fujimu100.jp/museum/publication/natural_history_13/